インタビュー

【mame-ten cafe】 できるところは自分で。 DIYで店づくり。

店子
mame-ten cafe 土田 栄(つちだ さかえ)様 聞き手:LLPまちかつ 桑平麻由子

夜が明ける前に出勤し、多種類のパンを1人で焼く土田さん。寺内町の南側奥にあるお店の前では、12時のオープンを待ちかねるお客さんが並んで待つこともある。

土田さん:今年の11月で開業9周年ですが、時の経つのは早いですね。学生やったお客さんが結婚して子どもと一緒に寄ってくれたりします(笑)元々は他の仕事をしていました。その後パン屋で3年働きましたが、小麦アレルギーになって仕方なく辞めて、学校に行って栄養士の資格を取って、栄養士になりました。でもやっぱり好きなことをしたくて、パン屋になりました。

店舗を探すにあたり、自宅から近いことが条件だった。

土田さん:元々古い町並みが好きだったので、ならまちとかで探していましたが、飲食は拘束時間が長いので、自宅から近いことも重要でした。ここ寺内町は前から知っていたのですが、歯科技工士だった父が働いていた医院が近くにあって、赤ちゃんの時の私を知っている人がいたりして…。なんか恥ずかしくて。

最初は候補には入れていなかった寺内町で開業することになったのは、「寺内町は最近、新しいお店とかもできて変わってきたよ」と知人から聞いたことがきっかけだった。

土田さん:大家さんは店舗として貸すのは初めてだったのですが、ここはムカデがよく出るので、今後も住宅として貸し出すのはどうかと思っておられたこともあり、店舗として営業することを快く了承いただきました。
改修が始まって、まず押し入れをつぶして出入り口にして、オーブンを入れるためにキッチンを少し広げました。トイレは大家さんが水栓にしてくださったので、助かりました。

その他、電気関係と水回りは業者に依頼したが、経費削減の為、壁は自分で漆喰を塗った。

バイトをしながらの開業準備でしたね。漆喰の塗り方は並びの店舗で先にオープンしていた先輩店主に教えてもらいました。まずはあまり目に触れないトイレで練習して。だからトイレの壁はちょっとデコボコです(笑)。漆喰塗りは真夏だったので大変でしたが、だんだん慣れてきて、きれいに漆喰が塗れるようになってからは楽しくなりましたね。

その言葉通り、最後のほうに塗ったというイートインスペースの壁は美しい仕上がりになっている。
多くの人たちの協力でオープンした店舗は、こじんまりとした素朴な雰囲気で、土田さんの焼くパンにとても合っている。
加えて、時間をかけて仕込んで焼くパンの味への評価も高く、遠くからわざわざ買いに訪れるファンも多い。

土田さん:オープン当初は来てくれる人は少なかったんですよ。だんだん常連さんや大阪市内からなど遠方から来てくださる人も増えてきました。あまり来れないからとまとめて買ってくださったり。ただ、1人でやっているので、混んでいる時は時間がかかることもあります。お客さんが並んでいるのを見ると焦ってしまってオタオタするんですが、何も言わずに待ってくださる。それはわざわざうちの店を目指して来られるお客さんだからと思います。本当にありがたいです。

開業から9年。mame-ten cafeは、今や寺内町になくてはならない町のパン屋さんになっている。